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土地家屋調査士の仕事 ~土地編~ <資料調査 1> (2013/01/15)

 土地家屋調査士という知名度の低い職業を少しでも知っていただきたく、また仕事をご依頼いただくときの参考にもしていただけるように、いくつかに分けてご紹介させていただきます。実際の業務の流れとは順序が異なったり、ご依頼内容や地域性、依頼される調査士により異なるため、一事例として考えていただければと思います。 今回は資料調査について書かせていただきます。    業務ご依頼前の見積もりご依頼時には必要ありませんが、実際に業務をご依頼いただいたら、まずはご依頼者様のお手元にある土地に関する書類をご準備いただくことになります。  土地に関する書類と聞いて、まず思い当たるものが土地の「権利証(登記済権利証)」だと思います。最近では「登記識別情報」と言われるものです。  近年、法務局(登記所)の業務がコンピュータ化し、書類が紙から電子データへと移行しました。紙の「権利証」から電子データに対応した「登記識別情報」に変わったもので、コンピュータ化された法務局で「新たに発行される権利証」は「登記識別情報」という名前のものとなりました。紙から電子データに変わったとは言っても、大概の人は「登記識別情報」が書かれた紙(登記識別情報通知)をもらうことになります。コンピュータ化された法務局で発行されたものが「登記識別情報」ですので、皆様方が以前よりお持ちの「権利証」は当然ですが変わらずに「権利証」として生きています。その「権利証もしくは登記識別情報」(以下「権利証」と記載)は土地を取得されたときに重要書類として司法書士さんから受け取り、そのまま金庫などに入れてしまい、どんなものだったかは記憶にないかもしれませんが、土地を何かされる時には必要となります。  しかし、土地家屋調査士に土地に関する業務を依頼される場合では権利証はほとんど必要ありません。ただし、複数個ある土地を1つにまとめる登記(合筆登記)をする場合には必要となりますので、そのときにはご準備いただくことになります。合筆登記を行うと、新たな権利証(登記識別情報)が生まれ、もともとの権利証はとりあえずはその効力を失います。  よく、勘違いされることですが、登記をすれば常に新たな権利証が発行されるというわけではありませんのでご注意ください。よくあるご質問ですが、分筆(一つの土地を複数個に分ける)登記をご依頼いただき、業務が終わった後で、「権利証をもらっていないんだけど・・・」とお問い合わせいただくことがありますが、分筆登記では権利証をお預かりすることはなく、また新たな権利証ができあがることもありません。分筆後の各土地の権利証はもともとの分筆する前の土地の権利証がそのまま生きておりますので、たとえば、最初に1つの土地を2個に分筆し、次に2個に分かれた土地の1個を5個に分筆しても、5個に分かれた土地の権利証は、最初に2個に分ける前の土地のものということになります。(途中で所有権移転などをしなければですが・・・)  参考までに、今現在生きている、ご自分の土地の権利証はどのように確認すればよろしいのでしょうか。まず法務局もしくはご自宅のパソコンから、ご自分の土地の登記簿謄本(登記事項証明書、全部事項登記記録)を取得してください。権利部(甲区)(所有権に関する事項)の欄の最下段あたりの登記の目的欄が所有権移転もしくは合併による所有権登記などと書かれた段の最右の欄にご自分のご住所とお名前が書かれていることを確認してください。その左隣の欄に書かれた受付年月日と受付番号が、お持ちの権利証に書かれたものと一致しているはずです。一致していればそれがその土地の権利証となりますが、これはあくまでも一般的な記載のものの説明となります。住所変更されたり、土地の所有者が複数人いらっしゃったりすると記載が複雑になるため、不明な場合には直接お問い合わせいただくか土地家屋調査士や司法書士に見てもらってください。  権利証以外に土地に関する書類としてお持ちのものとしては、法務局備え付けの公図や地図の写し、地積測量図の写し、お隣さんと境界立会をされたときにもらった境界確認書、建物を建築されたときにもらった建築確認書類に入っている建物配置図、以前に測量して作成してもらった実測平面図などがあると思います。  以上のような書類を探していただくことで、費用がお安くなる可能性は出てくるかもしれません。    探していただいた書類を拝見させていただくとともに、土地家屋調査士はご依頼の内容に応じて必要な資料調査を行います。業務ご依頼前の見積依頼の段階では詳細調査までは行わないことが多いため、現地作業に入る前には資料収集の詳細な調査を行います。  一般的には、法務局及び官公署での調査となります。法務局の調査については、ご依頼の土地に隣接する土地がどなたのもので、どのような図面が存在するか、また道路を挟んだ向かい側の土地までも調べる場合もあります。事前に書類を探していただいても、最新の情報を得るために、ご依頼地の登記記録を調査することは多いです。道路や水路、無番の土地が隣接しているときには官公署の調査を行います。官公署は過去に境界の立会がなされて、確定(査定)されている場合には境界立会を省略できる場合があり、ご依頼の納期及び費用に多大な影響を与えることになるために慎重な調査が必要です。  調査時に目指すことは、ご依頼者様よりも土地の遍歴を理解しておくことです。ご依頼の内容が土地の境界線に関することであれば、その境界線がどのような経緯をたどって現在に至っているかが分からなければ、境界の確定をすることができないからです。境界を示すしるし(境界杭など)があればそれが境界であると思われる方が多いですが、必ずしもそうとは限らないのです。いくつかある資料の中で、そのしるしが境界であると判断できればいいのですが・・・。

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